
最近子供が言うことを聞いてくれなくて・・・
ついつい大きな声で怒鳴っちゃうんだよな。

何度も同じことを繰り返していると、
ついついイライラしてきちゃうわよね・・・。

どうしたら子供にうまく理解させてあげることができるんだろう。

子供と接していると、叱らなきゃいけない場面ってたくさんあるよね。
実はその時どう声をかけるかによって子供の姿に大きな違いが生まれるんだ。
今日は実際の場面を想像しながら解説していくよ。
場面①
あなたは学校の先生です。
国語の授業で子供たちを図書館に連れてきました。
今日の授業は子供たちが楽しみにしていた読み聞かせの時間です。
あなたが前で本を朗読し始めると、A君が立ち上がり本が見やすい位置まで移動してきました。
座っていると見辛いのか座らずにそのまま立って朗読を聞いています。
他の子供たちの中にはA君が邪魔で本が見えない子もいます。
何人かの子供が嫌そうな顔でA君を見ています。
あなたならA君になんと声をかけますか?
「他の子が見えないから座りなさい!」
「他の子の迷惑になるから座ってね。」
「本を見ているのはA君だけじゃないんだからみんなで平等に見ようね。」
こんな声のかけ方を想像した方もいるのではないでしょうか?
もしもA君が他の授業でも自分勝手に振る舞っているような子だったとしたら言い方もどんどんきつくなっていってしまうのではないかと思います。
実は、この叱り方は間違っています。
なぜそう言い切れるのか?
この場面で重要なことは、「A君の立場に立って考えることができているか」ということです。
ここで質問です。
「A君は他の子の邪魔をするために立ち上がり、前で本を見ていたのでしょうか?」
違いますよね。
この行動の背景にはA君の「しっかりと本を見たい」と言う思いが隠れています。
その思いには、「邪魔をしてやろう」「みんなを困らせてやろう」という悪意は含まれていません。
むしろ、読み聞かせを聞いている子の中で一番興味をもって話を聞いていた子であるとも言えます。
どうですか?
視点を少し変えるだけで、
「周りの迷惑になることをしている悪い子」
から、
「誰よりも一生懸命話を聞こうとしている子」
に変わるのです。
そうした点を踏まえて、もう一度A君への声のかけ方を考えてみましょう。
「A君は一生懸命話を理解しようとしてくれているんだね。先生とっても嬉しいよ!でも、周りの子もちゃんとお話を聞きたいから、座って聞いてくれるともっと嬉しいな。見辛かったらもっと前でみてもいいよ!」
同じ注意だったとしても、A君が先生から受け取る思いは180度違ったものになります。
A君は先生からの愛情を感じ、素直に・そして前向きに行動することができるでしょう。
頭ごなしに叱るのは簡単です。
でも、それを繰り返すうちにA君に対する周りの目は厳しくなり、「自分はダメな子なんだ」と自己肯定感も低くなっていきます。
もし、注意するような場面に遭遇したら、まずはその裏にある子供の思いを受け止めてあげることが大切です。
場面②
あなたのクラスにいるB君はいつも授業中に姿勢が悪くなります。
何度注意しても少し時間が経つと姿勢が崩れてしまいます。
その度に注意をすることでクラスの雰囲気も悪くなってきました。
あなたは今後どのように対応しますか?
学校に限らず家庭でもよく起こる状況ですね。
テレビを見る時、ご飯を食べる時・・・
何度注意しても聞いてくれない。すごくイライラしますよね。
では、こうした状況の時子供にどのように接すればいいのでしょうか??
まず、先ほどとは違い、崩れた姿勢に対してはしっかりと注意をしなければいけません。
もちろん頭ごなしに叱ってはいけませんから、なぜ姿勢が悪いといけないのかという理由を伝える必要があります。
「姿勢の良さと成績の良さはつながっているという研究結果があるんだよ。」
「姿勢が悪いと目が悪くなるよ。」
これは必ず伝えるようにしましょう。
そして一番大切なのはその後です。
多くの人はこれを怠っているので子供を伸ばすことができません。
大切なのは「姿勢が良い時にすかさず褒める」ということです。
最初の場面で、
「少し時間が経つと姿勢が崩れてしまいます。」
と書きました。
よーく考えて見てください。
では、その少しの時間B君はどのような姿勢をしていたのでしょうか?
そうです!頑張っていい姿勢をしていたはずです。
多くの人はここで褒めることを忘れてしまうのです。
1分でも2分でもいい姿勢をしている姿を見つけたら、
「B君!いい姿勢で聞いているね!みんなも真似してみよう。」
すかさず褒めてあげてください。
子供は誰だって認められたいんです。
皆さんも頑張ったのに褒めてもらえなかったらやる気がなくなりますよね。
余裕がなくなればなくなるほど、子供の悪いところにばかり目が行きます。
でも、
指導=悪いところを直す
というイメージがもたれがちですが、そうではありません。
指導=子供の良さを伸ばす
作業であるはずです。
褒めるというフィードバックをしてあげることで、良い姿勢が継続する時間が少しずつ伸びていくはずです。
最後に
どうだったでしょうか?
「手のかかる子」ほど先生や親さんを困らせる存在はありません。
実際に僕も多くの「手のかかる子」に接してきました。
でも、そんな子ほど、「褒めて欲しい」「認めて欲しい」という思いが強いのです。
何度も叱られて「自分なんて・・・」と落ち込んでいるのです。
どんな行動にも子供なりの思いがあります。
ぜひ子供の立場に立って愛情をたっぷり注いであげてください。
視点を変えるだけであなたの気持ちもきっと楽になるはずです。
子供と共に成長できる人間でありたいですね。
コメント
[…] […]