
教員をしていると、こんなことを伝えなければいけない場面ってありますよね。
良いことを伝えるのは簡単ですが、悪いこと・厳しいことを伝えるのは非常に難しいものです。
そして、この伝え方によって、その後の生徒の行動・成長に大きな違いが現れてきます。
今回の記事では「伝え方」にフォーカスしていきたいと思います。
ダメな伝え方
否定→肯定

最近、遅刻が多いようだな!

せっかく授業中の発言を頑張っているのに!
まず始めに、ダメな伝え方をお話ししたいと思います。それは「否定」から入る伝え方です。
「最近遅刻が多いようだな。せっかく、授業中の発言を頑張っているのに台無しじゃないか。」
上記の例のように、最初に「悪いニュース」を伝えて、後から「ポジティブな内容」でフォローするという伝え方です。
「悪いニュース」をストレートに先に伝えると、相手は精神的にショックを受けるので、後半の部分は上の空になってしまいます。
反抗期の中学生であれば、最初の言葉で聞く気を無くしてしまうかも知れません。
後からいくらフォローしても、相手に全く伝わっていない。
ネガティブな印象だけを強烈に与えて、相手を落ち込ませる伝え方です。
このパターンで伝える(指導にあたっている)先生も多いと思います。
柔らかく的確に伝えるには?
肯定→否定

最近授業中の発言を頑張っているね。

ただ、遅刻に注意!
「最近授業中の発言が増えているし、すごく頑張っているね。ただ遅刻が多いのは問題だな。時間には間に合うようにしてくれよ。」
まず、ポジティブな情報を伝える。相手のできている点、長所、頑張りなどを伝えてポジティブな雰囲気を作ってから「悪いニュース」を伝える。
肯定→否定と伝える順番を逆にするだけですが、相手に対する心理的ダメージは相当緩和されます。
肯定→提案

最近授業中の発言を頑張っているね。

遅刻がなくなるともっと良いよね。
さらに柔らかく伝えたい場合は、「プラスの情報」に「プラスの情報」を上乗せするという伝え方があります。
「最近授業中の発言が増えているし、すごく頑張っているね。さらに時間が守れるようになると最高だね。」
叱る、欠点を伝えるのではなく「してほしい」「できるといいね」と付け加えるとかなりマイルドになります。
肯定→問いかけ(質問)

最近授業中の発言を頑張っているね。

どうすればもっと良くなる?
生徒の成長を考えるのであれば、ぜひこの伝え方を実践していただければと思います。
「最近授業中の発言が増えているし、すごく頑張っているね。どうすれば、もっと良くなると思う?」
「悪いニュース」を直接伝えずに、疑問形式で本人に考えさせるパターンです。結果として、「遅刻を減らして、時間に余裕を持って行動できるようになりたいと思います。」という答えを本人に言わせるのです。
人間の行動が変わるためには、「気付き」が必要です。相手に「悪いニュース」や短所、欠点をストレートにつたえると、「そんなに遅刻していませんけど」と行った否認の感情が湧き上がり、教員のアドバイスを素直に受け入れることが難しい場合があります。
本人に気づかせることを目的としたこの伝え方は、生徒の行動を改善させる効果の高い方法と言えます。
まとめ
ここまで読んで難しいと思ったかも知れませんが、悪いニュースをストレートに伝えないだけでも、相手の印象はかなり変わってきます。
何でもかんでもストレートに伝えるのが生徒指導ではありません。
時に変化球を交えながら、相手に届くボールを投げることも大切です。
最後に
いかがでしたか?
大勢の児童・生徒を相手にしていると、ついつい余裕がなくなってストレートに悪いことを伝えてしまいがちです。
相手の成長を願いながら、
「どうしたらもっと良くなると思う?」
と児童生徒と共に考え合えるような教員でありたいですね。
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